彦根藩第13代藩主で江戸幕府の大老を務めた井伊直弼が、青年時代を過ごした屋敷跡。嫡子ではなく庶子であった直弼は、この質素な屋敷で剣術や馬術、政治、茶道、和歌などの文武両道の修養に励んだといわれる。生涯をこの屋敷で過ごさねばならないと知った直弼が、その心境を詠んだ歌「世の中をよそに見つつも埋れ木の埋もれておらむ心なき身は」にちなみ、「埋木舎」と呼ばれるようになったと伝わる。埋木舎の建築年代は不詳だが、昭和の解体修理時の調査では、宝暦9年(1759年)の銘が入った瓦が見つかっており、少なくとも直弼居住の七十数年前に建てられたことがわかっている。掛け軸や屏風、愛用の書道具などが展示されている邸内や茶室の様子を、庭から見学することができる。国指定特別史跡。
9:00~17:00(入館は16:30まで)
毎週月曜(祝休日の場合は翌日)、冬季休館
大人300円、高大生200円、小中学生100円
JR琵琶湖線「彦根駅」から徒歩10分