柏原藩2万石の居館および政庁として、藩主織田信休が正徳4年(1714年)に造営した。表御門にあたる長屋門は、門の両側が長屋のように仕切られていることから、その名があり、創建当時のものが残る。明治維新後、陣屋内の建物は表御殿の一部を残して取り壊されたが、現存する表御殿は文政元年(1818年)の火災で焼失後に再建されたもので、藩主が重要な来客との対面や儀式の場として使用した。玄関の屋根は、檜皮葺軒唐破風の優美な姿で、桁隠や虹梁には平家の揚羽蝶紋や織田細瓜紋があしらわれている。全国でも数少ない陣屋遺構として、また明治以降小学校として使用されたことから、幕末から近代に至る学制の変遷を考える上でも貴重であるとして、国の史跡に指定されている。道路の向かいには、丹波市立柏原歴史民俗資料館・田ステ女記念館があり、柏原藩主伝来資料などを展示している。
9:00~17:00(入館は16:30まで)
毎週月曜(祝日の場合は翌日)、年末年始
入館料/大人210円、中学生100円、小学生50円 ※柏原歴史民俗資料館・田ステ女記念館と共通
JR福知山線「柏原駅」から徒歩10分、または舞鶴若狭自動車道「春日IC」から車約15分