古くは、興福寺などの荘園として繁栄した小盆地。宇治茶の主産地で、煎茶の生産量は京都一で、近年は抹茶の原料である碾茶の生産量が増加し、日本一の生産量を誇る。討幕に失敗した後醍醐天皇が都から笠置に逃れる際、この地の原山で養生したことにちなむ「養生の芝」も、春は一面の茶の緑におおわれる。和束は、奈良時代に聖武天皇がたびたび御幸した恭仁京東北道の途中にあり、その途上で急死した聖武天皇の皇子、安積親王の墓陵がある。墓陵も美しい茶畑に囲まれている。
JR大和路線「加茂駅」から「和束小杉行」の奈良交通バス「和束河原」下車