飛鳥時代に、龍、水分(みくまり)の信仰に代表され、古代民族信仰の発祥地とされる霊山大峯が、役行者(えんのぎょうじゃ)により開山された際、最高峰弥山(みせん)の鎮守として祀られたのが天河大辨財天社(てんかわだいべんざいてんしゃ)の始まりとされる。高野山の開山に先立ち、大峯で修行した弘法大師の最大の行場が、天河社であったともいわれる。辨財天は、川の流れの妙なる様を神格化した古代インドのサラスヴァティー神で、その本来の神徳は、水のせせらぎの如く素直で妙なる弁舌や音楽の神であり、日本の古代よりある水神の信仰とも結びついている。後に転じて「財を弁ずる」商売の神としても信仰されてきた。
近鉄「下市口駅」から「中庵住行」の奈良交通バス約1時間「天河神社前」すぐ、または近鉄「下市口駅」から奈良交通バス「天川川合」~徒歩30分