織田信長が南伊勢侵攻時に、北畠氏との激戦地となったことで知られる城。戦国時代末期、北畠具教・具房親子はこの城に籠城し、天下統一をめざす信長の軍勢と、約50日間にわたる戦いを繰り広げた。この「大河内城の戦い」では決着がつかず、信長の次男、信雄を具房の養子として迎え、北畠氏の家督を継がせる条件で和睦となったが、天正4年(1576年)の冬、信雄により北畠一族は滅ぼされ、約230年間におよぶ北畠氏の伊勢国統治は終焉を迎えた。城跡は、北と東に川が流れ、西南に深い谷を有する天然の要害。曲輪、土塁、堀切などの跡が今も残り、合戦の記念碑が建つ。県指定史跡。近隣の嵜谷遺跡からは、合戦の凄まじさを物語る鉛玉や熱で変形した円形銅板などが発見されている。
JR紀勢本線・近鉄山田線「松阪駅」からバス「大河内」~徒歩30分