標高約120mの龍松山に残る山城跡。城跡の頂部から、富田川下流一帯や熊野口の連峰が眺望できる要地である。南北朝時代から戦国時代まで紀南地方で勢力を誇った、室町幕府奉公衆・山本氏代々の本拠地であった。山本忠継が城郭を修築したとき、城内にあった巨大な老松が、龍が寝たような姿に似ていたことから、「龍松山城」の名で親しまれるようになったと伝わる。曲輪をめぐる横堀は、戦国末期の城郭形式をとっている。発掘調査では、多数の金属類や土器などが見つかり、豊かな生活の場であったことがうかがえる。
JRきのくに線「紀伊田辺駅」からバス「紀伊一条寺」~徒歩15分