上村松園が誕生して150年の節目を迎えることを記念し、「生誕150年記念　上村松園」が大阪中之島美術館で開催されます。男性で占められていた明治期の美術界にあって、独自の理想を追求し、四条派の伝統が色濃い京都画壇で、新たな美人画の系譜を切り拓いた松園は、多くの意味でパイオニアであったといえるでしょう。松園の気品ある清澄な女性像の数々は、今日も観る者に深い感銘を与えます。同展覧会では、珠玉の名作を含む作品群が展示され、その画業を振り返るとともに、女性として初めて文化勲章を受章し、近代美術史に揺るがない足跡を残した松園芸術の真価に、あらためて触れることができます。